師走に入ってからの雇用不安が派遣社員だけでなく、大企業の正社員にも押し寄せてきた。ソニーが、国内外で正社員約8000人を含む約1万6000人を削減することを決めるなど、多くのサラリーマンにとっても人ごとではない事態になってきた。突然職を奪われた場合、どう生きればよいのか。過去に失職し、現在充実した第二の人生を歩んでいる人たちは「逆境を知り強くなった」「あなたの才能を求めている企業は必ずある」と、最後まであきらめずに前向きに生きるよう呼びかけている。 (蕎麦谷里志) 「朝出勤してロイター通信の配信で破綻(はたん)を知った。長男はまだ1歳。将来への不安で目の前が真っ暗になった」 北海道拓殖銀行の元行員で、現在はハーゲンダッツジャパンの後藤茂治さん(41)は拓銀が破綻した日をそう振り返る。 北海道旭川市で生まれ育った後藤さんは、北大農学部の大学院を修了、海外志向が強かったことから海外に支店