よみうり入試必勝講座 よみトク入試情報2009年 11 月号 大学授業料のはなし 授業料の現在と歴史 代々木ゼミナール入試情報センター 本部長 坂口幸世 今回は大学の授業料がテーマです。 授業料という制度を日本で初めて導入したのは福沢諭吉の慶應義塾だそうです。それは慶應4 年(1868年)慶應義塾が芝新銭座(現在の港区浜松町1丁目)に新校舎を建設して本格的に学 校経営を始めた頃です。『福翁自伝』によるとそれまでの私学は、入学時に「束脩(そくしゅう)」と いう入学金を払い、あとは盆暮にお金か品物に熨斗をつけて先生に差し上げていただけだったそ うです。それを福沢諭吉は「教授も矢張り人間の仕事だ、人間が人間の仕事をして金を取るに何 の不都合がある、構うことはないから公然価(あたい)をきめて取るが宜(よ)い」と考えて授業料と いう制度を導入しました。この合理主義精神は、札を検めるのに邪魔だから