記者会見で「経済政策」についての政策発表をする立憲民主党の枝野幸男代表=国会内で2021年9月27日、竹内幹撮影 驚くべき偶然なのか。それともただの思考停止か。立憲民主党が「分配なくして成長なし! みんなを幸せにする経済政策」と銘打った政権政策を発表した。妙に既視感があった。それもそのはず、岸田文雄氏が総裁選で訴えた「成長と分配の好循環」のなかにもこう書いてある――分配なくして次の成長なし、と。 「一致」の背景 与野党が同じキャッチフレーズを掲げるとは、悪いジョークのようだ。分配政策、生活保障は、リベラル勢力の十八番だ。枝野幸男氏も納得がいかなかったのだろう。自民党は立憲民主党の政策を「全然パクれてない」と言い切った。 だが、この奇妙な「一致」の背景には、模倣の是非に止まらない、思想的な限界が見え隠れしている。 立憲民主党は「アベノミクスとの対決」を、岸田氏も「新自由主義からの転換」を訴え