社会科学の哲学の立場から書かれた制度論 経済学的な制度理解と哲学的な制度理解とを架橋するための議論が展開されている。 二部構成となっており、前半では、制度についての均衡説と制度についてのルール説を統合した統一理論「均衡としてのルール」説を展開する。 ただし、これは均衡説とルール説との単なる折衷案ではなく、ルール説を均衡説へと還元するような方向の統一理論(正確には、ルール説の代表的立場であるサールが説く「構成的ルール」を、統整的ルール(均衡をももたらす条件付き戦略)へと還元する立場)。 後半では、制度についての実在論の立場にたち、反実在論的な社会構成主義を批判すると同時に、社会構成主義の動機である規範的アプローチないし改良主義的なアプローチを、実在論によって掬いとろうとしている。 個人的文脈 社会科学の哲学、社会的存在論については、以前から興味があった 例えば、下記の倉田論文 『現代思想20