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ブックマーク / tsujimotter.hatenablog.com (14)

  • (a○+b)×(a△+b)=(a□+b)になるa,bの条件と中国剰余定理 - tsujimotterのノートブック

    数学ファンの鯵坂もっちょさんがツイートしていた問題が面白かったので、今日はその問題について考えてみたいと思います。 あれ、もしかしてan+b(a,b,nは自然数、a,bは互いに素)型の数が積で閉じてるのってb=1のときだけか— 鯵坂もっちょ🐟『つれづれなる数学日記』発売中 (@motcho_tw) 2021年5月31日 もっちょさんの問題は、任意の という形の数の積 が再び と表せるような整数 の条件は?という問題ですね。 この問題、見た目以上に広がりがある問題だと思います。「中国剰余定理」や「天に向かって続く数」にもつながったりします。お楽しみに! 元の問題を解く たとえば、、 とすると、どちらも の形の数ですが、その積をとると となり、 なので 型の数となっています。 一方で、 型の数では同じことにはなりません。 どうも、 型の数の の部分は でないとうまくいかないようです。 より正

    (a○+b)×(a△+b)=(a□+b)になるa,bの条件と中国剰余定理 - tsujimotterのノートブック
    omega314
    omega314 2024/03/16
    ペレルマン数(ペレリマン数列)。
  • 箸袋で作った図形は正五角形か? - tsujimotterのノートブック

    今日は 箸袋があるとつい作っちゃうこの図形 についての話です。 細長い紙を用意して、上の図をイメージしながら折り曲げて「ぎゅっと」すると、きれいに正五角形が作れてしまいます。 箸袋に限らず、お手元に紙テープなど「細長い帯状のもの」があれば簡単に折ることができます。よかったらぜひやってみてください。 ところで、上で作った図形はたしかに五角形ですが、当に正五角形だろうか? というのが日の問いです。つまり、辺の長さと角の大きさは、厳密にすべて等しいのでしょうか? これまで漠然と正五角形だろうと思っていましたが、よくよく思い返してみると、それを証明したことはありませんでした。一見簡単にできそうな気がしたのですが、やってみたらなかなかチャレンジしがいのある問題でした。 というわけで、今日は「箸袋で作った図形が正五角形であること」を証明してみたいと思います! tsujimotterは昨日の夜にこの

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    omega314 2023/08/19
  • 「ラムゼーの定理」に関する数学ゴールデンの問題 - tsujimotterのノートブック

    日曜数学Advent Calendar 2020最終日の記事です。投稿してくださったみなさま、ありがとうございます!!! adventar.org 目次: 1. 今日のテーマ 2. 気合いで全探索する方法(解法1) 3. 矛盾辺に着目した方法(解法2) 4. より洗練された証明(解法3)と17頂点への一般化 5. ラムゼーゲーム(tsujimotterからの出題) 6. まとめ 1. 今日のテーマ 最終日の今日は 「今年一番興奮した話」 を書いてみようと思います。いったいどんな数学に興奮したのか、その背景について説明させてください。 tsujimotterの日曜数学の楽しみ方は、数学の理論をで勉強して楽しむことです。日曜数学を楽しむ方の中には問題やパズルを解いて楽しむ方もいると思うのですが、私はあまり好きではありませんでした。 好きではないというより、どちらかといえば得意ではないという感

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    omega314 2023/07/05
  • エルキースによるオイラー予想の反例:2682440^4 + 15365639^4 + 18796760^4 = 20615673^4 - tsujimotterのノートブック

    こちらの記事は今日投稿された下記の動画に関して、さらに深い解説をする記事となっています。www.youtube.com よろしければ、こちらの動画も合わせてご覧ください! フェルマーの最終定理の のケース に自然数解が存在しないことは、オイラーによって証明されていました。 オイラー自身は、この式の指数と変数の個数を1個ずつ増やした にも、同様に解がないことを予想しました(1769年)。以降もずっと指数と変数を増やして行っても同様に解がないと予想していたようです。割と自然な発想ですよね。 一見すると式 には自然数解がなさそうなので、長い間解がないと信じられていました。 ところが、1966年にレオン・J・ランダーとトーマス・R・パーキンによって、式 の解が発見されたのです: この発見によってオイラー予想は間違っていることが示されたわけです。 次がそのランダーとパーキンの論文なのですが、1ページ

    エルキースによるオイラー予想の反例:2682440^4 + 15365639^4 + 18796760^4 = 20615673^4 - tsujimotterのノートブック
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    omega314 2022/11/04
  • 保型形式(モジュラー形式)を勉強するとこんなにも楽しい(導入編) - tsujimotterのノートブック

    保型形式 という数学用語を聞いたことはあるでしょうか? 数学好きの方の中には、フェルマーの最終定理の証明で楕円曲線と保型形式が役に立った、という話を聞いたことがある方もいるでしょう。 私が保型形式に出会ったのは、数学ガール「フェルマーの最終定理」というでした。 このの最終章では、保型形式の具体例を計算して、楕円曲線と保型形式の深い関係について、その入口の部分を体感できます。このを読んで「なんだか面白そう」と思った方も多いのではないかと思います。私もその一人です。 数学ガール/フェルマーの最終定理 (数学ガールシリーズ 2) 作者:結城 浩SBクリエイティブAmazon 一方で、さわりの部分だけでは物足りない、もっと保型形式のその先を勉強してみたい、と思う方も多いのではないかと思います。 今回の記事は、そんな「あなた」のための記事です。 この記事を通して詳しく解説しますが、保型形式とは

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  • 「23」とフェルマーの最終定理 - tsujimotterのノートブック

    日は 2/23 ということで、この日付にまつわる楽しい数学の話をしたいと思います! お話したいのは、23 という数そのものが持つ性質についてです。 は素数なので、素数についての話かと思った方もいるかもしれません。 もちろん、素数であることは大事なのですが、それだけではありません。 は次のような特徴を持つ素晴らしい数でもあるのです。 を3以上の素数としたとき、 次円分体 の 類数 が より大きくなる最小の は である 整数論を学んだ人にとっては、円分体や類数の意味が理解でき、 そこから23の性質に感動を覚える人も少なくないかと思います。 一方で、円分体や類数をまったく知らない人にとっては、上の説明だけでは何のことかわかりませんよね。私自身、何度か一般向けの講演で上の事実を紹介したことがあるのですが、難しくて理解できなかったという方も多いのではないかと思います。 そんな方でも、今回こそは23

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    omega314 2021/02/23
    “p を3以上の素数としたとき、 p 次円分体 の 類数 が 1 より大きくなる最小の p は 23 である”
  • 「数体の素元星座定理」に関するプレプリントについて - tsujimotterのノートブック

    2021年 に入ってすぐに、とんでもないニュースが飛び込んできました。もちろん、数学のニュースです。 東北大学の研究チームによる論文のプレプリントがarXivで公開されました。タイトルは "Constellations in prime elements of number fields" で、こちらのリンクからアクセスできます: Constellations in prime elements of number fields Wataru Kai, Masato Mimura, Akihiro Munemasa, Shin-ichiro Seki, Kiyoto Yoshino https://arxiv.org/abs/2012.15669 Wataru Kai, Masato Mimura, Akihiro Munemasa, Shin-ichiro Seki, Kiyoto Yo

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  • tsujimotterのノートブック

    みなさんこんにちは。 二月ももうすぐ終わりますが、今みなさんが気になっていることがあるかと思います。 今年は2/29があるんだっけ? ないんだっけ? そう、今年は「うるう年」かどうかという問題ですね。 続きを読む 記事は日曜数学 Advent Calendar 2023の1日目の記事です。 ご無沙汰しています。日曜数学者のtsujimotterです。 2022年12月に子どもが生まれまして、そこからブログや動画の投稿が滞っていたのですが、アドベントカレンダーの季節ということで久しぶりに復活しました。*1 今年も日曜数学アドベントカレンダーを立ち上げました。 adventar.org 明日話したくなる数学豆知識 (2014)から数えると、なんと 10年目 です。 今年の分も、おかげさまでブログ執筆時点で21件の方が登録してくれています。記事が投稿されるのを楽しみにしています! 残りの枠につ

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  • 積分定数とは何だったのか - tsujimotterのノートブック

    数学ガール「ポアンカレ予想」を読んでいて(あまり題に関係なく)感動したのが、不定積分 についてです。 の不定積分は、原始関数 を用いて以下のように表せます。 ここで、 は積分定数です。 高校の時からずっと機械的に(もしくはおまじない的に) 「 は積分定数である」 と書いてきたわけですが、この積分定数とは一体何か、というのが今回の主題です。 考えを進めていったら、昨日ブログで書いたド・ラームコホモロジーも出てきてびっくり。よかったら最後まで御覧ください。 昨日の記事: tsujimotter.hatenablog.com 線形微分方程式の解空間 まず、元の不定積分は、微分を使って以下のように書き換えることができます。 「これは微分方程式である」というのが、最も重要な視点の変換です。そういえば、これを微分方程式とみて考えたことは今までの人生の中で一度もありませんでした。冒頭の数学ガールを読ん

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    omega314
    omega314 2020/09/16
    『積分定数は0次のド・ラームコホモロジーとみなせる』 なるほど言われてみれば。
  • 無理関数の不定積分と双曲線、微分形式 - tsujimotterのノートブック

    今日考えたいのは、 や というタイプの積分です。 いわゆる無理関数の積分と呼ばれるもので、大学受験でも難関大学の問題として登場するみたいですね。 今回の記事のきっかけとなったのは、清さんによる以下のツイートです: 【清史弘からの提案 7 】 教育系YouTuber の人に向けて、このような動画はどうですか? という内容です。もちろん、YouTuber でない方もご参加ください。 私の考え方は24時間以内にあげようと思っています。 これは、唯一の正解というよりは、いろいろとあってよいと思います。#清史弘からの提案 pic.twitter.com/UokREtslQt— 清 史弘 (@f_sei) 2020年9月13日 上のツイートによると、今回の積分は という変数変換がキーになるようですが、いったいどこからこの式が現れたのか説明せよ、というのが問題です。 清さんのツイートの引用リツイートに、

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  • 「√-2 × √-8 = √16?」の問題について - tsujimotterのノートブック

    Twitter数学に関するこんな話が話題になっていました。 √-2×√-8計算する時に√16にしたらいけんのなんで?— 愛華 (@sakubunkake) 2020年7月9日 もう少しツイートの内容を補足してみましょう。 というのは、虚数単位 を用いて として定義されます。よって を用いて が成り立ちます。 一方、 には積に関して なる法則が成り立つはずです。 ところが、この法則を適用すると となってしまいます。 すなわち、計算方法によって結果が になったり になったり、異なってしまっています。これは何かがおかしい。一体、どこがおかしいのだ? というのが、上のツイートが問題にしている点です。 私はこのツイートを見て、これは モノドロミー の問題だ! と直感しました。これは面白そうだと。 そこで、以前書いたこの記事 tsujimotter.hatenablog.com を思い出しながら、自

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    omega314
    omega314 2020/08/31
    モノドロミー
  • リーマンの再配列定理を使って級数を「お望みの実数」に収束させよう - tsujimotterのノートブック

    今日のテーマは 「リーマンの再配列定理」 です。「条件収束する実数列の級数は、再配列によって任意の実数に収束させることができる」という主張です。何を言っているかわからないという方にも、これから詳しくは説明していきますのでご安心ください。 無限級数 が絶対収束するとは、各数列に絶対値をつけた が収束するということです。名前の通りですね。 対する条件収束とは、無限級数が絶対収束はしないが収束はすることを言います。 たとえば、平方数の逆数の和 は絶対収束しますが、自然数の逆数を足し引きする級数(交代級数) は条件収束します。後者が条件収束であることは、たとえばこちらの記事の最後に紹介されています: mathtrain.jp 「なぜ絶対収束か条件収束を気にするのか」と疑問に思った方もいるかもしれませんが、それにはワケがあります。 絶対収束する級数は、足し合わせる順番に関わらず同じ値に収束します。つ

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    omega314 2020/08/31
    なるほど言われてみれば感がすごい証明(手順)だ。
  • 層の定義 - tsujimotterのノートブック

    最近、スキームの話をきっかけに、tsujimotterのノートブックにも「層」という概念が登場するようになりました。 ところが、これまでのブログ記事では、層の定義は頑なに避けられてきました。その理由は、私自身が理解できていなかったからです。 今回は、いよいよ層の定義をしてみたいと思います。今日のポイントは、具体例の計算です。具体例を通して、層の理解を目指しましょう。 目次: 前層(復習) 前層の例 層の定義(2つの公理) 例1:共通部分を持たない開被覆 公理1:既約性条件 公理2:閉条件 例1のまとめ 例2:共通部分を持つ開被覆 公理1:既約性条件 公理2:閉条件 例2 まとめ 完全列を用いた層の定義の言い換え まとめ 補足1:U = ∅ の場合 補足2:解析接続と閉条件 参考文献 前層(復習) 層は、後で述べる「ある特別な性質」を持った前層です。まずは前層の定義を丁寧に復習しましょう。

    層の定義 - tsujimotterのノートブック
  • FF5のレベル5デスと整数論 - tsujimotterのノートブック

    Final Fantasy Ⅴ(以下、FF5)というゲームをご存知でしょうか? 私が小学生ぐらいの頃に流行したロールプレイングゲームです。当時、私はFFの魅力がわからずプレイしたことすらなかったのですが、大人になってからその面白さに気づき、はまっています。 今回は、FF5にまつわるちょっぴり整数論っぽい問題についてです。 背景 さて、そのFFの5作目のFF5ですが、面白いシステムが導入されました。それが 青魔法 です。青魔法を使う青魔導士は、敵が使ってくる魔法を受けると、「ラーニング」といって、その魔法を習得し、次回以降の戦闘で使用することができるのです。もちろん、敵の扱う魔法すべてをラーニングできるわけではないのですが、バラエティ豊かな魔法を手にいれることができ、青魔法を収集することもゲームの楽しみの一つでした。 参考: FF5 青魔法の効果と習得方法 その中でも、特に面白いなと思ったの

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