環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉で、バターが焦点になっている。米国で貿易促進権限(TPA)法が成立し、12カ国全体合意のスケジュールが取りざたされているが、バター市場開放派のニュージーランド(NZ)などと、反対派の対立が解けないためだ。日本は反対派だが、国内のバター不足を突かれ、頭を悩ましている。 バターは脱脂粉乳と並んで日本が守りたい農産物の一つ。政府が輸出入を管理する。バターは冷凍すれば保存・長距離輸送ができる。さらにバターを脱脂粉乳、水と混ぜれば加工乳になる。輸入バターと脱脂粉乳で安い加工乳を作ることが可能だ。このため国は、市場開放すると酪農家が大きな打撃を受ける、としている。 ただ、日本国内はバター不足が続く。今年度は10月までに1万トン緊急輸入する。TPP交渉では、NZなどから、この点を突かれているという。つまり、不足しているのに市場を開かないのはおかしい、という理屈だ。政府