ジャンヌ・ダルクの書簡は直筆署名付きの三通の書簡と口述した手紙の原本六通、その他写本で文面のみ残っているものが多数ある。十九世紀に歴史学者ジュール・キシュラ(1814~82)によってジャンヌ・ダルクの裁判記録、年代記、書簡、会計簿等史料がまとめられ、ジャンヌ・ダルク研究が大きく進展した。 この記事ではレジーヌ・ペルヌー、マリ=ヴェロニック・クラン著(福本直之訳)『ジャンヌ・ダルク』(東京書籍,1992年,原著1986年)の「ジャンヌ・ダルクの書簡」に掲載されている福本直之訳の11通の書簡の文面を一部改変して引用、紹介する。古文・漢文にも造詣が深い福本先生ゆえ、いくつかの訳文は格調高く文語体で翻訳されているが、漢文調の箇所「認之(これをしたたむ)」「無之候(これなくそうろう)」などは「これを認む」「これ無く候」と書き下し文に開いた。またイギリスはイングランドへ、ブルゴーニュ候・ベッドフォード
![ジャンヌ・ダルク書簡まとめ~書状でみるジャンヌ・ダルク](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/fcc697ea1d15e3ff248d8a20c943d482cd5b015b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcall-of-history.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2018%2F07%2FIngres_coronation_charles_vii.jpg)