石巻赤十字病院(402床)は、東日本大震災で津波被害を免れ、石巻地域の医療を支え続けた。敷地の一角で、プレハブの仮設病棟の整備が慌ただしく進む。 当初は80床を予定したが、50床に絞った。長期的な需要の見極めが難しいからだ。 <人口推移読めず> 石巻市の人口は、昨年3月1日に比べて約6%減少した。住民票を動かさずに、他の土地に移り住んだ人を加えると、1割近く減ったとする見方もある。 「水産業や加工業が復興した時に、どれぐらいの人が戻ってくるのか全く読めない。人口が減ったままだと、50床すら必要かどうか」。過剰な投資になることを金田巌副院長(64)は危惧する。 石巻地域では、赤十字病院とともに、急性期の地域医療の中核を担ってきた石巻市立病院(206床)が被災、入院機能を停止した状態だ。 JR石巻駅近くの中心市街地に移転・再建する予定で、2015年度の完成を目指している。だが、病床や