将来の円安に備えて結んだデリバティブ(金融派生商品)取引が裏目に出て、外食チェーン大手のサイゼリヤが約140億円の損失を抱える見通しとなった。輸入食材の値上がりを抑える狙いで契約したが、実際は急速に円高が進み、契約上、不利な交換レートを強いられるためだ。輸出入で為替変動のリスク(危険)をいかに抑えるかは、産業界全体の頭の痛い課題になっている。(三好益史) デリバティブは、株式や債券などの取引の際、価格変動に伴う損失を少なくする目的で開発された金融商品だ。サイゼリヤは仏BNPパリバ証券と2007年10月、08年2月の2回にわたり、円と豪州ドルを交換するデリバティブ契約を結んだ。 このうち、07年10月の契約の内容は、どんなに円安が進んでもパリバと1豪ドル=78円のレートで交換できる一方、78円より円高に振れれば、かなり悪いレートを強いられる「ハイリスク・ハイリターン」型だった。 同社は低価格