金融庁の自見庄三郎担当大臣がIFRS強制適用の延期を指示した背景には何があるのか。「政治主導として選挙で選ばれた人間がきちんとやらせていただく」という自見金融相の決断に至る背景を探った(関連記事:IFRS強制適用が延期、金融相が「2015年3月期の強制適用は考えていない」)。 「国際的な基準の統一を目指すことはよいが、日本の産業界、特に製造業は、投資判断となる一時点の企業価値よりも、ゴーイングコンサ―ン(継続企業の原則)に重きを置いている。IFRS導入に対する米国のスタンスも変化してきていることもあり、わが国でも時間をかけて検討していく方向になっていることは望ましい」 日本経済団体連合会の米倉弘昌会長が6月20日にこう発言した。これまで日本公認会計士協会(JICPA)や企業会計基準委員会(ASBJ)と共に日本のIFRS適用について筋道を作ってきた経団連は既にIFRSについて慎重姿勢に転じて