独アウディが今年7月に新型車「A8」を発表してから約2カ月が経った。同車は世界で初めて一定の条件下で自動車が主体となって運転できる「レベル3」機能を搭載することが注目を集めている。 ドイツでの発売を間近に控えた8月末。アウディは西部の中核都市デュッセルドルフで、報道陣に向けA8のレベル3機能を高速道路で実演した。その様子は上の動画の通りだ。時速60km以下で走行している際、運転手がセンターコンソールにある「AIボタン」を押すと、A8が運転操作を代行する。運転手が手を離した状態でも高速道路を走っている様子が分かる。 渋滞などの交通問題の研究を続けているデュイスベルク・エッセン大学のミハエル・シュレッケンベルグ教授によれば、ドイツでは年間の渋滞の総延長距離は約130万kmで、そのうち約80万kmが高速道路上で起きる。「国民が渋滞によって失っている時間は、年間約42万時間(=約48年分)に相当す