人は獣 牙も毒も棘もなく ただ痛むための涙だけをもって生まれた 裸すぎる獣たちだ と中島みゆきという一柱の神は歌う。 だから人は武器を手にするのだと思う。 現代社会。 就職面接の際、「あなたの武器はなんですか?」なんて詰問される。 だから己の武器、それは現代社会を生き抜く武器、畢竟スキル、それを装飾し言語にして放つ。 そんな具合にきっとファンタジーの世界でもギルドの面接で 「あなたの武器はなんですか?」と尋問されると思う。 剣、槍、弓、斧、槌、銃、拳法、C言語。 さまざまな選択肢があると思う。 そして武器を手に、戦士は胸にひとつの石を抱く。 消えゆく記憶をその剣に刻み、鍛えた技をその石に託す。 しかし、ギルド採用試験のさい、 「私の武器はヌンチャクです」 というようなやつがいたら、おそらく私は不採用のスタンプを押すと思う。 なんでヌンチャクなん?と思う。 ヌンチャクが悪いとは言わない。 け