東京五輪開催 2年執行なし 安倍晋三政権から岸田文雄政権に至る約2年にわたり、フタをされてきた論点がある。死刑の執行の問題だ。東京オリンピックという「平和の祭典」を開いた日本は、死刑を執行していない。いまや大半の先進国で廃止されている時代。「ガラパゴス化が浮き彫りになって、国際的な非難を浴びるのを避けたのでしょう」と、死刑制度に詳しい笹倉香奈・甲南大教授(43)は指摘する。 「死刑を容認」が80・8%、「廃止すべきだ」は9・0%、「わからない」が10・2%。内閣府が2020年に発表した世論調査の結果だ。国民の大半は死刑の存置に肯定的な立場を示している。その割合は過去20年でほぼ変わらない。古川禎久法相も10月の就任会見で「重大な凶悪犯罪を犯せば死刑を科すこともやむを得ない。廃止は適当ではない」と述べている。 一方で世界を見渡せば、死刑をやめる国が増えている。笹倉さんは「国による残虐な拷問だ