やっと今頃観たんですが(笑)、余りにも知的な傑作だったので一筆。そもそも寓話とは象徴化や要約化を通して「社会(世界)の縮図」としての精度を高めていく形式だが、本作の凄さはカテゴライズという行為そのものへの批評があること。キャラを意味的に配置するだけでなく、固定されたイメージをどんどん反転させていく。まるで我々の偏見や先入観の根深さを試すように、最後の最後まで意外な動物が別の顔を見せ続けるのだ。 特に「生物学的」というキーワードは重要。この言葉がどれだけ差別の歴史に手を貸してきたか、自戒も含め改めて考えてしまった。あらゆる区分を超えた(剥ぎ取った)ジュディ&ニックのコンビ誕生は本当に美しい!