「残業代を抑えたいのですぐにでも導入したいです」――そんな相談をしてきたのは、とある中小企業の社長です。どうやらこの社長は固定残業制を導入すると残業代が安くなると思っているようです。この社長のように固定残業制を勘違いしている方は少なくありません。 固定残業制に残業代を抑える効果はほとんどありません。しかも、正しく理解した上で運用していなければ、残業代の未払いが発生してしまったり、そもそも固定残業制そのものが認められなかったり、ということにもなりかねません。この記事では、固定残業制を導入するメリットとデメリット、そして導入のポイントを解説します。 固定残業制とは 固定残業制とは一般に、実際の残業の有無にかかわらず、従業員に対してあらかじめ定めた時間分の残業代を毎月支払う制度をいいます。 ただし、あくまでも“残業代”を固定的に支払う制度であり、「実際に何時間残業しても残業時間は○○時間とする」
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