2016年1月29日にマイナス金利政策が導入され、10年以下の円金利スワップがマイナス領域に沈んでから半年が経過した。それに伴い、金利デリバティブの評価で長年用いられてきたBlackモデルでの計算が不可能となった。このモデルは原資産が対数正規分布に従うと仮定しているため、原資産が負値となることを許容しない。したがって市場では昨年度末からマイナス金利に対応した新しい金利デリバティブのモデルが導入され始めた。 その中でも代表的なモデルとして原資産が対数正規分布に従うShifted Lognormalモデルと正規分布に従うNormal Volatilityモデルがある。円金利市場では、すでに一般的な金利デリバティブ商品である金利キャップ・フロアや金利スワップションにおいて、それぞれのモデルを前提としたボラティリティが情報端末で提示されている。特に正規分布ベースのボラティリティは米国市場でよく使わ