元防衛官僚で、内閣官房副長官補を務めた柳沢協二氏は七日、東京都内で開かれた集会で、集団的自衛権の行使容認をめぐり政府が示した事例に「現場的なリアリティーが乏しい。(政府の)戦略論が見えなくて議論になっていない」と批判した。 政府は安全保障法制に関する六日の与党協議で、自衛隊が他国軍の後方支援をする範囲をめぐって先に示した四条件を撤回。一方で、従来の憲法解釈を変更する閣議決定の具体的な文案策定の準備に入った。集会後、柳沢氏は取材に対し「めちゃくちゃだ。理屈も何もあったものではない」と厳しく指摘した。