マイホーム購入を考えていた東京都内の男性会社員(27)は昨秋、ネットで新築マンション価格を調べて驚いた。年収の6~7倍の5千万円以内の予算で、職場近くの新宿区や中野区で70平方メートル程度、3LDKで探すと多くが6千万円超だった。結局「とても手が出ない」と、郊外の小平市内の4200万円のマンションを買い、今年6月に入居した。 安倍政権の経済政策「アベノミクス」の中核は、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁が2013年4月に始めた異次元の金融緩和だ。市場に大量のお金を流し、金利を下げ、消費や投資を活発にしようとした。 そのお金は不動産市場に流れ込んだ。住宅ローン金利低下でマイホームの需要は高まり、20年東京五輪に向け都心再開発も進む。不動産価格上昇を見越した取引が活発だ。 18年の路線価は全国平均で3年連続の上昇で、東京・銀座では昨年、バブル期の水準を超えて最高値となった。不動産経済研究所によ