私は日本癌学会の公式雑誌である「Cancer Science」誌の編集委員長を務めている。ここ数年新興国の発展に伴ってそれらの国からの投稿が増えている。また、雑誌のオンライン化が急速に進展することによって、出版業界からは雨後の筍のように新しい雑誌が生まれてきている。 日欧米に限らず、新興国においても論文を発表することが、研究者たちが職を得たり、もっと高いポジションに就くために不可欠である。できるだけたくさん論文を発表すること、それも、できるだけ評価の高い雑誌に発表すること、そして、できるだけ他の研究者よりも早く発表することが求められる。 世界的に研究者人口が増加すると、発表する論文数が増えてくるため、それに、対応するために雑誌の数が急速に増えているのだと思う。まさに、需要と供給の関係だ。また、早く発表するために、そして、できる限り多くの研究者の目に触れるように、誰でも自由に(無料で)アクセ