学術出版界でオープンアクセスでの論文出版が確立されるにしたがい,理工医学を取り扱う各STM(Scientific, Technical and Medical)出版社が,研究データをオープンアクセスとして提供するオープンデータの活動に一斉に取り組んでいる。公的資金が投じられた研究で得られたデータを,より有効に活用しようという政府機関の考えやオープンアクセスの義務化がこのような動きを後押ししており,また研究者の間でも研究データを公開することで他の研究者に再利用してもらい,さらなる発見を引き出そうという考えが生まれた。 その一方で,特にデータを生成する研究者にとっては効果的にデータを共有する仕組みが不足しており,またデータを公開するインセンティブがないという問題がある。科学研究の再現性と信頼性を高めるためには,データがただ存在しているだけでは不十分で,そうしたデータは発見しやすく,検索しやすく