加護野教授:これから元気の出る企業の条件は、製品のイノベーションから、仕組みのイノベーションを実現できる企業でしょう。 その典型がユニクロ(ファーストリテイリング)だと思います。考えてみれば、いまは過剰店舗気味ですが、コンビニも仕組みのイノベーションでできたビジネスですね。これに対して、百貨店やスーパーは、仕組みのイノベーションを進められず、厳しい状況になっている。 例えば、中食(なかしょく)ビジネスでは、神戸にはロック・フィールドという会社がありますが、これも典型的な仕組みビジネスです。中食ビジネスの最大の問題は、雨が降ると、売上が大変に不安定になること。 ロック・フィールドは、保存のきく方法で食材を配送し、店舗で最終的に食材を加工する。その際、全国にある2つの工場から配送するので、どこかの地域が雨でも、どこか別の地域は晴れているので、生産が平準化できる。廃棄損も少なくなるし、ビジネスを