本書の第5章に、映画「新幹線大爆破」の話が出てくる。走っている新幹線の列車に爆弾が仕掛けられ、スピードが時速80km以下になると爆発するという話だ。今の日銀の「量的・質的緩和」は、それに近い状態になっているという。いくら緩和してもインフレ率は逆に下がり、黒田総裁が出口戦略を口にした途端に「大爆発」が起こりかねない。 量的緩和は「偽薬」だといわれるが、偽薬には副作用がない。今の量的緩和は麻薬である。いずれやめざるをえないが、その出口で禁断症状が出ることは避けられない。どういう形で金利が上がるかは予測が困難だが、いずれ来る。そのとき日銀が巨額の損失をこうむることも避けられない。 かりに長期金利が2%まで上がると、日銀の保有する国債に約38兆円の評価損が出る。日銀の自己資本は6.5兆円なので、30兆円以上の債務超過になる。中央銀行の債務超過は一般会計から補填できるが、日銀が取りうる方法は次の3つ
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