たばこが1箱1000円に値上がりすると、税収増どころか最大で1.9兆円税収が減るとの試算結果を23日までに、京都大大学院の依田高典教授(応用経済学)がまとめた。 1箱1000円になれば単純計算で9.5兆円の税収増とされ、超党派の国会議員連盟がたばこ税引き上げを目指しているが、依田教授は「価格が上がるほど禁煙の成功率も上昇する可能性が高い。大幅値上げによる税収増は疑問」と話している。 試算によると、1箱1000円では、これまでの研究から喫煙者の97%が禁煙しようと思うと考えられ、全員禁煙に成功した場合、税収が1.9兆円減少する。1箱300円の場合と同じ54%の禁煙成功率で試算しても、税収増は3兆円だった。 一箱500円の場合は、禁煙しようと思う人の割合は40%にとどまるとみられ、0.6兆〜1.5兆円の税収増が見込める。