(英エコノミスト誌 2010年9月11日号) 企業に対して権力を持つ者もいれば、持たない者もいるのはなぜか。 ヘンリー・キッシンジャー氏は権力は究極の媚薬だと語った時、表現が控えめすぎるという罪を犯した。実際、権力は究極の生活向上要因にほかならない。 権力を持つ者は、権力を持たない者よりも友人が多いだけではない。権力者は比較的健康にも恵まれる。数々の研究によって、地位の低さは肥満や高血圧のような身体的原因よりも心臓病と強い関連があることが立証されている。 権力がもたらす恩恵は、近年、劇的に増大してきた。平均賃金が(米国で)停滞したり、(欧州で)伸びが鈍かったりした時に、CEO(最高経営責任者)やその他経営幹部の給与は急上昇した。 政治家は権力の魅力をカネに変える術を学んだ。クリントン夫妻はホワイトハウスを去った後の8年間で1億900万ドル稼いだ。トニー・ブレア氏は国政から引退してからの3年