毎回同じことを言うが、私は大学院で経済政策、日本経済論を講じている。講義ではなるべくホットな話題を教材として使うよう心がけているのだが、日本経済にはその教材が次々に現れるので、大変ありがたい。 今回は、オリンピック・パラリンピック(以下、単にオリンピック)という話題が登場した。2020年、東京でのオリンピック開催が決まり、それが経済を活性化させるという期待が高まっている。この議論は、その結論がどうかということよりも、結論に至る過程で多くの興味深い論点を含んでいる。そこで、例によって、私がこれからの授業の中で取り上げようと思っている論点を紹介してみたい。 論点1 東京オリンピックの意義をどう考えるか 具体的な議論に入る前に、私が東京オリンピックについてどのように考えているかを明らかにしておこう。この部分は経済的な議論ではないので、飛ばしていただいても構わない。 まず、私は、かねてより、東京へ
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