東京電力は27日、福島第一原子力発電所の汚染水処理費用が1トン21万円で、事故の収束に向けた工程表の「ステップ2」の達成を目指す来年1月中旬までに、25万トン分で約531億円かかると発表した。 東電は、ステップ2に要する当面の費用として、約4300億円を見込んでいるが、汚染水処理は10%以上を占めることが明らかになった。 汚染水処理装置は、仏アレバ社などの技術導入で建設中で、6月中旬の試運転開始を目指している。処理装置が完成すれば、炉心溶融(メルトダウン)が起きた1〜3号機で、汚染水から放射性物質と塩分を取り除き、冷却水として再利用する「循環注水冷却」も実現のめどが立つ。ただ、循環注水冷却では、原子炉から再び汚染水が出てくるため、来年1月以降も処理は続く見通しで、今後、汚染水の処理総額が膨らむのはほぼ確実だ。