高校時代、監督にぶっ叩かれながら毎日真っ黒土塗れになって、必死にボールを追いかけ走り回った。 初心者なうえ適性も肩もなかった私だが、なんとか試合には出させて貰えたこと、 大きな怪我もなくほぼ皆勤を通したことが自慢だ。 高校入学直後、入部する旨を告げると母は喜んでくれた。 一式何万もする道具や練習着を買うのに、はいはいとお金を出してくれた。 それを無駄にすまいと、辛い時期があっても辞めようとは思わなかった。 最初は気恥ずかしかったけれど、両親は毎回試合の応援に駆けつけてくれた。 私の汗とグラウンドの養土がめり込んだ練習着を洗うのを手伝ってくれた。 買った時は目に痛いほど鮮やかだったミズノのグローブは色褪せたが、愛おしい思いは変わらない。 久々に触ると黴臭くなっていたが、私なりに大切に保管していたつもりだった。 先日半年ぶりに実家に帰った時、母は家中を隈なく掃除していた。 私が自室で勉強してい
![捨てるからね](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b1638cdb5807a4788e4ba3c1109a984166e095fc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fanond.hatelabo.jp%2Fimages%2Fog-image-1500.gif)