はじめに 日本の社会インフラは、戦後の経済成長を背景に着実に整備されてきたが、高度経済成長期に建設された橋梁の65%が2032年には建設後50年を経過するなど、老朽化や劣化による大きな事故や災害の発生が懸念されている。このような状況下において、既存ストックを今後も有効に活用していくためには、劣化や老朽化の兆候をできるだけ早い段階で発見する、点検作業の頻度と精度の向上が求められている。 一方で、建設業においては、熊本・東北の復興事業や、東京オリンピックに向けた準備事業などによる建設需要の増加に加え、少子高齢化を背景とし、深刻な技術者不足が問題となっている。社会インフラの維持管理サイクルを円滑に進めていくためには、点検のみならず診断、対策の各段階に効率よく技術力を分配する必要があり、特に点検の中でも比較的簡易な目視程度の情報があればよい項目については、技術者の負担を減らし、かつ頻度については可