柄谷行人という人は、甲陽学院という、村上春樹のお父さんが国語の先生をやっていた、当の村上春樹は受験して落ちたらしい、そんな高校出身の詰まるところ秀才である。全くもっていい加減な類推だが、私が長らく活動してきた建築界にあっても、この高校出身の建築家ときたら、米田明、南泰裕、勝矢武之とこぞって文人肌であった。また私が浪人中に出会ったとある人物。この人は国語の成績がすこぶる良かったのだけど、全く勉強している素振りをみせなかった。でも、よく見たらさりげなく文庫本をジーンズのポケットに忍ばせているような人だった。そんな彼の姿を不覚にも「カッコいい」と思って真似したのが、私の読書の始まりである。その彼もこの学校出身であったことを思うと、この類推はまんざらでもない。 さて、新人賞応募作品を書き上げた私が今、まずやろうと思ったのが、「文章のメディカルチェック」である。 文章のみがき方 (岩波新書) 作者: