睡眠と覚醒、解明に前進=制御する2遺伝子発見-筑波大など 睡眠と覚醒の制御に重要な役割を果たす二つの遺伝子をマウスの実験で新たに発見したと、筑波大や米テキサス大などの研究チームが2日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。睡眠と覚醒を切り替える仕組みの解明が進み、将来は人の睡眠障害の治療法改善につながると期待される。 筑波大の国際統合睡眠医科学研究機構長を務める柳沢正史教授らは、脳神経細胞などにさまざまな遺伝子変異があるマウスを生み出し、睡眠への影響を調べた。その結果、「Sik3」遺伝子が変異したマウスは睡眠時間が大幅に増え、覚醒時間が減少。「Nalcn」遺伝子の変異マウスでは、浅い眠りのレム睡眠が大幅に減少していた。 健康な人が寝ると、まず深い眠りのノンレム睡眠に入り、体は休んでいるが脳は活発に働くレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返してから目覚める。Sik3遺伝子はノンレム睡眠の必要量を