「世の中の困りごとを、シスターフッドに頼るな」 作家の柚木麻子さん(43)は、女性同士の連帯や親密な結びつきを示す概念「シスターフッド」を題材にした作品を数多く書いてきた。ところがシスターフッドを称賛することには「待った」をかける。どういうことなのか。柚木さんの講演とインタビューから真意に迫った。 8日の国際女性デーを前にした1日、柚木さんは大阪府豊中市内でシスターフッドをテーマに演壇に立った。そして、デビュー時の体験から「待った」の理由を語り始めた。 そもそもシスターフッドとは何なのか。1960年代に米国から起きた女性解放運動「ウーマンリブ」で生まれた言葉で、近年、女性への性被害を告発する「#MeToo運動」などで連帯を表すものとして再び広がりを見せた。国内でも2019年に性暴力事件で無罪判決が相次いだことに抗議する「フラワーデモ」の記憶が新しい。 女性で助け合えというのは… 柚木さんは
