メタミゾールは、ドイツやオーストリアではイブプロフェンの次に一般的な鎮痛剤の有効成分だ。これを生産する拠点は、欧州には1ヵ所しか残っていない。ドイツにあるその最後の1ヵ所も2025年末に閉鎖されることが決まり、物議を醸している。 なぜなら、今後この成分について、欧州は中国に完全に依存することになるからだ。 高まる中国依存 欧州の医薬品の中国依存は「いまに始まったことではない」と、オーストリア薬剤師会はオーストリア紙「デア・シュタンダード」の取材で述べている。メタミゾールに限らず、多くの医薬品の有効成分はいま、欧州ではほとんど生産されていない。特に「抗生物質に関しては、もう長いこと中国頼みだった」ようだ。 医薬品の生産拠点が中国に移るのは、ひとえにコストの問題だ。製薬会社の利益は1箱数円にしかならないため、少しでも生産コストの削減が求められる。 また、ドイツなどではジェネリック医薬品に対する