<アルバイト3つ掛け持ちで妻子を養う、リストラで仕事と住居を同時に失う......。就職氷河期に正社員になれず非正規雇用で働き続けてきた人たちが、年金を受給する年齢になればどうなるか。これは、国家を揺るがしかねない問題だ> 『ルポ 中年フリーター:「働けない働き盛り」の貧困』(小林美希著、NHK出版新書)の著者によれば、35~54歳のうち、非正規雇用労働者として働く「中年フリーター」は約273万人。だとすれば、同世代の10人に1人を占めていることになる。 ちなみにこの数字に既婚女性は含まれておらず、同年齢層の女性の非正規で、扶養に入るための「就業調整をしていない」人は414万人もいるため、潜在的な中年フリーターはさらに多いと推測されるという。 この言葉にスポットライトがあたるようになったのは、二〇一五年のことだ。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの尾畠未輝研究員の試算によれば、中年フリー
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