醤油。塩。豚骨。つけ麺。 男にとって、「ラーメン」とはごちそうである。まだガキンチョだった頃は、たまに外で食べるラーメンはもちろん、家で食べるインスタント麺だって、カレーやハンバーグに並ぶレベルのごちそうだった。さらには近所の駄菓子屋さんで食べるブタメンですら、子供の時分には最高に魅力的に感じていた覚えがある。 さすがに今となっては、ブタメンやインスタント麺は「ラーメン」とは別カテゴリーに振り分けられてしまった印象もあるけれど。でもそもそも、一口に「ラーメン」と言ってもその世界は広大で奥が深い。ラーメンフリークでもない自分には、おいそれと語れないような印象すらある。 ──などと考えつつ、ラーメン店ひしめく秋葉原を歩いていた、ある日の夜のこと。久々に『はるか』さんに入ろうと考えるも行列ができているのを見て断念し、多種多彩なラーメン屋さんに目移りしつつ、悩むくらいなら『博多風龍』でいっかー……