「現実不安」と「神経症的不安」 ここで、「不安」について考えてみましょう。 不安は、恐怖と対比して考えられることが多い概念です。恐怖は、明らかな対象があって感じる恐れです。一方、不安は対象が漠然としています。 フロイト(Freud,S)によると、不安は「現実不安(客観的不安)」と「神経症的不安」に分けられるそうです。現実不安は、現実に存在する危険(例えば台風の上陸など)に対しての反応で、神経症的不安は、実際の危険とは関係なく起こる反応です。 Dさんの場合、特に仕事上でミスを叱責されたわけではありません。不安の原因は自分の中にありました。 Dさんは、「自分が感じる不安は、心の底にある自信のなさが関係しているかもしれない」と話してくれました。常に周りの目を気にして、「あいつは駄目なやつ」といわれないようにと、気を張ってきたのでしょう。 子どものころから親の干渉が多く、自分がやりたいといったこと
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