五十嵐太郎の『建築はいかに社会と回路をつなぐのか』でセクシュアリティ関連の著作への言及がなされていた。その多くが邦訳のないものであり、個人的にも「建築」という非常に興味のあるテーマなのでそこからメモしておきたい。 建築はいかに社会と回路をつなぐのか 作者: 五十嵐太郎出版社/メーカー: 彩流社発売日: 2010/01/20メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (9件) を見る 建築のジェンダー論といえば、かつてはドリス式の柱を男性の身体、イオニア式の柱は女性の身体にもとづく──というような古典主義に関するものしかなかった。しかし、五十嵐によれば、1990年代以降、他分野の影響を受けた新しい地平を切り開く言説が飛躍的に増えたという。 1989年にスミソニアン協会から刊行された『建築、女性のための場所』には、デニズ・スコット・ブラウン*1の興味深い文章「女性建築家は頂上に