普段あまり車に乗らない筆者だが、たまに乗るといつも感じるのは、車には独特の社会性があるなぁということである。例えば右折時に相手が譲ってくれるとき、またこっちは譲るときは、特に声など掛け合わなくても、阿吽(あうん)の呼吸でわかる。また、この交差点では対抗右折車を先に行かせた方が後々こっちも曲がりやすいとか、ここはよくトラックが出てくるから減速しとくとか、その地域ごとのローカルルールを飲み込むと、スムーズに走れる。 俗に「車社会」という言葉があるが、これは主要交通手段を車に依存している社会という意味で用いられる。しかしもっと狭義の意味で、「車上社会」というか「車道社会」というか、運転しているもの同士でのみ共有できる認識社会のようなものが存在するように思う。 ここで筆者が社会の定義について述べることはおこがましいのであるが、まあ一般的には秩序がある状態を広く指すということでいいのではないか。路上