会田誠さん(現代美術家) 65年生まれ。「会田誠展 天才でごめんなさい」が東京・六本木の森美術館で開催中。3月31日まで。=松本敏之撮影 ■芸術の核心を教えられた 『劇画における若者論』 [著]三島由紀夫 (『決定版 三島由紀夫全集36』に収録・新潮社・6090円) 高校1年の時、たまたま手に取ったエッセー集に、この一編が入っていました。三島由紀夫のことは「割腹した変な人」くらいにしか思っていませんでしたね。 でも、読んだらショックを受けました。あの手塚治虫の『火の鳥』を「日教組の御用漫画家になり果て」とこき下ろし、かわりに赤塚不二夫の『もーれつア太郎』を「このナンセンスは徹底的」と激賞しています。さらに「劇画ファンの若者の教養の不足を嘆く人たちは、自分たちが教養と信じてゐたものの、上げ底に巣喰(すく)つた蛆虫(うじむし)でもつくづく眺めてみるがいい」。しびれました。 手塚への批判は言い過