聞きわけのない獣(けだもの)と化した活字の記憶が音もなく暴れだすことはありませんか?忘れたくても忘れられなくなる本を読んだ過去が、あなたの人生にもあるはず。そのトラウマ本棚の目録に、新たな4冊を書き加えていただきます。 ■紀伊国屋書店 市橋栄一さんのおすすめ (1)一人の男が飛行機から飛び降りる [著]バリ-・ユアグロー (2)戦争童話集 [著]野坂昭如 (3)欲しいのは、あなただけ [著]小手鞠るい ▽記者のお薦め (4)冷たい方程式 [著]トム・ゴドウィン他 ■心を侵し棲みつく物語 まるで他人の夢をモニターできる聴診器で傍受したような「たのしい悪夢」の世界がこの本に詰まっている、と(1)『一人の男が飛行機から飛び降りる』を訳した柴田元幸さんはあとがきに書いている。 収録された149本の短編はほとんど1~2ページで終わる掌編だ。たしかに、悪夢にうなされていそうな人から採取した、ねじれた心
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