富士山では過去約2000年間に、溶岩が流れ出す規模の噴火が少なくとも43回あったとの調査結果を、産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)がまとめた。 空白部分が多い富士山の地質図を改訂するため、15年かけて行った地質調査の成果。新たに判明した噴火の記録を盛り込んだ地質図の試作版を20日、鹿児島市で始まった国際学会で公表した。 富士山はすそ野が広く、どんな岩石や地層が広がっているかを探る調査が他の主要火山より遅れていた。現行の地質図(1968年発行)は、東側斜面の大半が空白になっており、産総研の山元孝広・総括研究主幹らの調査チームが98年以降、約900平方キロ・メートルを踏破。岩石の組成や分布を調べ、溶岩の放射性炭素の量が時間の経過とともに変化する性質を利用して、噴火時期も割り出した。