社内のコンプライアンス(法令順守)窓口に通報したため不当に配置転換されたとして、大手精密機器メーカー「オリンパス」(東京都新宿区)の社員浜田正晴さん(50)が配転の無効確認などを求めた訴訟の控訴審判決が三十一日、東京高裁であった。鈴木健太裁判長は、請求を棄却した一審判決を変更し、配転先で働く義務がないことを確認し、会社と上司一人に慰謝料など二百二十万円の支払いを命じた。 鈴木裁判長は判決で、配転命令は内部通報に反感を抱いた上司が、業務上の必要性とは無関係に行ったと認定。「内部通報による不利益取り扱いを禁止した社内規定に反しており、配転命令は人事権の乱用にあたる」と判断した。 また、配転で昇格・昇給の機会を失わせ、人格的評価をおとしめたことに加え、配転後も、浜田さんに新人社員と同様の勉強やテストを受けさせるなどパワーハラスメントがあったとして、慰謝料の支払いなどを命じた。