国家に注目をして経済を語るのではなく、都市を中心にみることで経済の流れがわかると、端的に言ってしまえばそういう話だ。そしてタイトルになっている発展する地域と衰退する地域の境目はどこにあるのかといえば、それは「輸入置換」を通して輸入したものに新たな価値を付け足して新たに輸出していく家庭=インプロヴィゼーションが出来るか否かにあるという。 この考え方、僕が知ってきた知識にはまったく、どこからも触れられていなかったもので面白いのだが、本職の経済畑の人たちはどう捉えているんだろう。1986年の本でもあり、今本書で述べられている理論がどれだけ適用に値するのかもまだわからない。たとえば今では常識とされている(と習った)比較優位が批判されている。 たとえばブラジルが延々とコーヒー豆を作りつづけて、コーヒー豆だけを作り続けているとすればそれは都市からそのように要請されているから、その方が儲かるからであって