今年度の「講談社ノンフィクション賞」受賞が決まっている森達也さんの著書「A3」(集英社インターナショナル)について、オウム真理教元信者や弁護士らで構成される「日本脱カルト協会」(代表理事・西田公昭立正大教授)は2日、授賞に問題があるとして、講談社に抗議文を送付したことを明らかにした。 「A3」はオウム真理教を扱ったノンフィクション作品。協会は抗議文で、同書が地下鉄サリン事件など一連のオウム事件の原因を「弟子の暴走」と結論づけていると指摘し、授賞が「教祖の無罪論を示す著作にお墨付きを与え、オウム事件を知らない世代に有害だ」と主張している。 オウム事件をめぐっては年内にも全裁判が終結する可能性があり、再び注目が集まっている。 森さんは「『A3』を読んでいるとは思えない抗議内容。本を精読してもらった上で論じ合いたい」とコメント。講談社広報室は「選考は公正を期しており、選考委員から『授賞相当の作品