ケニアの首都ナイロビで、英ロンドン高等裁判所の決定を喜ぶ元闘士や支援者たち=2012年10月5日、AP 【ロンドン小倉孝保】英国植民地時代のケニアで発生した民族運動「マウマウ団の乱」(1952〜60年)で独立のために活動したケニア人元闘士3人が拷問を受けたとして英政府に補償を求めた訴訟で、ロンドン高等裁判所は5日、3人に請求の権利があるとの決定を出した。英政府は半世紀以上前のことであり請求の権利がないと主張していた。植民地時代の個人補償請求権を司法が認めたことで、今後、補償請求が相次ぐ可能性が指摘されている。 補償を求めているのは男性のパウロ・ヌジリさん(85)、ワムブグ・ニンギさん(84)と女性のジェーン・マラさん(73)。ヌジリさんらは54年、植民地政府に拘束され、去勢されたうえ殴るけるなどの暴行を受けたと主張。マラさんは同じころ拘束され、性的暴行を受けたとし09年に補償を求め提訴した