【ベルリン=工藤武人】2000年から07年にかけ、ドイツ各地でトルコ系やギリシャ系移民ら10人がネオナチ・グループに射殺された連続殺人事件の裁判が、ミュンヘン上級地裁で始まり、「世紀の裁判」(DPA通信)として独社会の強い関心を集めている。 ナチスの過去克服に努めてきた戦後ドイツが、ネオナチの脅威に目を背けていた現実を突きつけているためだ。 ニュルンベルクやハンブルク、ミュンヘンなど国内各地を舞台にした連続殺人事件では、トルコ系移民8人、ギリシャ系移民1人、ドイツ人女性警察官1人が犠牲になった。検察当局は、一連の事件は、「国家社会主義地下組織」を名乗る旧東独テューリンゲン州で設立されたグループの男女3人の犯行と見ている。3人は97年から11年にかけて、銀行強盗14件、複数の爆発事件も起こしたとされる。 同地裁では6日、殺人の共謀罪などに問われている女性メンバーのベアテ・チェーペ被告(38)