長崎原爆で被爆したことの証明が不十分との理由で被爆者健康手帳の交付申請を却下されたのは不当として、韓国在住の金勝男(キムスンナム)さん(68)が、長崎市を相手取り、却下処分の取り消しを求めた訴訟の判決が9日、長崎地裁で言い渡された。 井田宏裁判長は金さんを被爆者と認めて処分を取り消し、市に健康手帳の交付を命じた。 金さんは生後8か月だった1945年8月9日、爆心地から約500メートルの同市橋口町の自宅で被爆したと主張。2011年5月に手帳交付を申請したが、市は、証人がいないことなどを理由に同年11月に却下した。金さんは、翌12月に提訴した。 金さんの戸籍には、長崎市橋口町で出生したと記載されている。訴訟で金さんは、両親から聞いた話として、父親が勤務していたボルトナット工場の社宅で被爆し、母親と共に助け出されたと主張していた。 これに対し、市側は▽被爆後に市が行った調査で金さんが主張する番地