【ローマ=共同】イタリア下院は二十七日、企業が従業員を解雇する際の条件を緩和するなど一連の労働改革法案を可決した。正規雇用や外国企業の進出を促す狙い。上院は可決済みで、昨年十一月に発足したモンティ政権が最大の課題としてきた改革が実現した。 巨額の公的債務を抱えるイタリアは最近、信用不安から国債の利回りが再び上昇(価格は下落)。構造改革努力を示して市場と欧州連合(EU)諸国を納得させようと、モンティ政権は二十八、二十九日のEU首脳会議前の可決にこだわった。 イタリアでは労働者憲章と呼ばれる法律の一八条で、十五人以上の従業員を抱える企業が正当な理由なく解雇した場合、その従業員を再雇用する義務があると規定。これにより企業が雇用に尻込みし、非正規雇用を増やしているほか、外国企業の進出も阻んでいると指摘されてきた。