日米両政府が11月に予定していた沖縄県の無人島を使った離島奪還訓練を断念したのに関連して、防衛省が一時、訓練場所の別の島への変更を検討していたことが23日、分かった。ただ、最終的には別の島での訓練実施も断念したことで、地元自治体の反対への配慮のみならず、沖縄県・尖閣諸島の国有化に反発する中国に配慮したとも受け取られかねない。 離島奪還訓練は11月上旬から中旬にかけ実施する日米共同統合演習(実動)の目玉だった。国内の離島での共同奪還訓練は初めてだからだ。那覇の西北約60キロにある無人島で米軍が射爆撃場として使用している「入砂島(いりすなじま)」(渡名喜村(となきそん))を訓練場所に予定していた。 両政府内には当初から慎重論もあった。防衛省と米国防総省は「淡々と行うべきだ」との立場だったが、外務省と米国務省には日中関係に与える影響を懸念する声も多く、国務省は一時、訓練中止も主張していた。 この