【ソウル=宇恵一郎】米国務省が「東海」の併記を退けたことに対し、韓国メディアは「政府の外交努力の欠如を示した」として一斉に反発、韓国政府は複雑な反応を見せている。 韓国は、独立後の1957年、国際水路局(現・国際水路機関=IHO)に加入したが、「東海」の英文表記を国際的に主張し始めたのは、92年以降だ。 韓国内で朝鮮半島の東側を「東海」と呼び習わしてきたことを根拠に「公海を一つの国の名称とするのは不合理で、日本海と東海を併記すべきだ」と主張してきた。 韓国内では、「日本海の呼称が世界で一般化したのは、日本の植民地支配を受けた20世紀前半だ」との認識がある。日韓両国が領有権を主張する竹島(島根県)問題と同様に、韓国側は歴史問題と捉えている。 このため、米国が最近、IHOに「日本海単独表記が妥当」との意見書を提出した、との情報が流れた途端に、9日付の主要日刊紙は一斉に「韓国の東海外交力は力不足