2012年の薄型テレビの出荷台数は前年比で67.5%減(電子情報技術産業協会調べ)と、すさまじい勢いで市場がしぼむ日本。電機各社にとって、もはやテレビは業績低迷の悪玉にすぎず、デジタル製品の主役はスマートフォンやタブレット端末に取って代わられた。世界市場における韓国メーカーの存在感も、元・テレビ王国の自信喪失を誘う。しかし、本当に日本のテレビは魅力を失ったのか。デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏に、先頃米国で行われた世界最大の家電の見本市、「2013 International CES」での様子を振り返ってもらいながら、今後のテレビの行方を探った。 (聞き手は酒井康治) 米国で「2013 International CES(以下、CES)」が終了しましたが、これからテレビがどうなっていくのかを中心に、話をお聞かせください。 麻倉:まず、近年のCESにおけるテレビの流れを説明しましょう。例年
